一年中出回っているキャベツは、料理もしやすく、常に家に常備しておきたい野菜の一つですね。
生食だと揚げ物にぴったりな千切りキャベツやコールスロー。
加熱するなら回鍋肉にメンチカツ、お好み焼きやたこ焼き、ロールキャベツなどなど。
和洋折衷様々な料理に活躍してくれるキャベツは淡色野菜ですが、栄養も多く含まれています。
今回はそんなキャベツの栄養・カロリー・旬・産地・歴史・由来・種類・保存方法と選び方を紹介します。
由来と歴史
英名:cabbage
仏名:chou
学名:Brassica oleracea var. capitata
アブラナ科アブラナ属
原産地:ヨーロッパ
世界最古の野菜の一つといわれるキャベツ。
最初に栽培されたのは数千年前だといわれています。
紀元前後のものは今のように結球(丸く包んである形)ではなく葉キャベツでした。
結球タイプのキャベツは、紀元初めの頃にイタリアで栽培され始めたようです。
日本には葉キャベツのタイプが薬800年前に渡来しましたが、野菜としては育ちませんでした。
結球タイプのものは19世紀半ば、江戸時代末期に日本に入ってきました。
当時薬味など一部を除いて、ほとんど野菜を生で食べる習慣がない日本でしたが、明治時代に銀座の洋食店がカツレツに千切りキャベツを添えたことがきっかけとなり、キャベツの消費量も増えました。
栄養とカロリー
<可食部100gあたり>
- エネルギー 23kcal
- 水分 92.7g
- たんぱく質 1.2g
- 炭水化物 5.2g
- ナトリウム 5mg
- カリウム 200mg
- カルシウム 43mg
- マグネシウム 14mg
- リン 27mg
- 鉄 0.3mg
- 亜鉛 0.1mg
- マンガン 0.13mg
- ビタミンA β-カロテン当量 50μg
- ビタミンK 78μg
- ビタミンB1 0.04mg
- ビタミンB2 0.03mg
- 葉酸 78μg
- ビタミンC 41mg
- 食物繊維総量 1.8g
特徴的なのは、ビタミンUを多く含んでいること。
このビタミンUとは正確にはビタミンではなく、体の中でビタミンのような働きをすることからその名前がつきました。
「キャベジン」というと、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
キャベジンは胃酸の分泌を抑えて、胃腸の粘膜の修復を助ける働きがあり、この成分を含んだ胃腸薬もたくさん市販されています。
外葉などの緑の濃い部分はカロテンの含有量が多く、アミノ酸やカルシウムが含まれています。
芯の部分にはビタミンCが多く含まれているため、無駄なく調理して食べると栄養もたっぷり摂ることができます。
ビタミンUは水溶性なので、水にさらす場合は短時間にするよう気をつけましょう。
加熱にも弱いため、栄養を気にする場合は生食がおすすめですが、加熱するとかさが減ってたくさん食べることができるので、結果的に十分栄養を摂ることができます。
旬と産地
キャベツのおいしい時期
1月、2月、3月 冬キャベツ
4月、5月、6月 春キャベツ
7月、8月 夏キャベツ
産地別
春キャベツ 千葉、神奈川 2月~6月
夏秋キャベツ 群馬、長野 7月~10月
冬キャベツ 愛知、千葉 11月~3月
周年栽培されているキャベツは3回の収穫時期があります。
それぞれ産地や品種が異なるため味わいにも違いが出ます。
特徴を活かしてお料理でも使い分けたいですね。
種類
春キャベツ(春玉)・・・秋に種をまき、春に収穫されるキャベツのこと。ふんわり巻かれているので軽い。中まで黄緑色。やわらかくてみずみずしいので、漬物やサラダ向け。
夏秋キャベツ(高原キャベツ)・・・春に種をまき、夏から秋に収穫される。冬キャベツに似て少し扁平な形をしている。巻きはゆるくてやわらかい。主な産地は長野の野辺山や群馬の嬬恋など、高冷涼地で育てられることが多いので、高原野菜とされる。
冬キャベツ(寒玉)・・・夏に種をまき、冬に収穫される。夏秋キャベツと同じように扁平な形だが、巻きがぎゅっとしていて密なので重い。中にいくほど葉が白いのが特徴。葉は固くて煮崩れしにくく、加熱すると甘味も増すので、煮込み料理向き。ロールキャベツや鍋物におすすめ。
グリーンボール・・・やや小ぶりのボール型。中まで薄緑色をしている。
サボイキャベツ・・・フランスのサボア地方発祥の品種。葉がちりめん状にちぢれているのが特徴的。外は緑で中は黄色い。煮込料理向き。
紫キャベツ・・・赤キャベツ、レッドキャベツとも言われている。表面の鮮やかな紫色はアントシアニン色素。酸に触れると鮮やかに発色するので、ピクルスにおすすめ。食感も良いのでサラダにも。天然の着色料の原料にも使用される。
プチベール・・・丸く結球しない芽キャベツ。芽キャベツとケールの交配種で、カロテンやビタミンCが豊富に含まれている。栄養価は芽キャベツ以上で、甘く食べやすい。
たけのこキャベツ・・・小型種で、先が少し尖った形をしている。やわらかいので生食向き。
芽キャベツ・・・一般的なキャベツの芽ではなく、葉の付け根にできるわき芽が結球したもの。大きさはピンポン球くらい。太く長い茎にびっしりと50~60個ほどなる。キャベツの4倍のビタミンCを含む緑黄色野菜。
黒キャベツ・・・「カーボロネロ」とも呼ばれる、ちりめん状の結球しないキャベツ。繊維や風味も強いので、煮込み料理い向いている。
ケール・・・キャベツの原種といわれている。ビタミンCとカロテンが豊富で青汁の材料にもされている。煮込料理にも適している。
アフリカキャベツ・・・別名:スクマイキともいう。スワヒリ語で「命の泉」という意味。見た目はケールによく似ていて、栄養価も高い。
保存方法
丸ごとの場合は、暑い季節なら新聞紙などに包んで冷蔵庫の野菜室へ。
寒い季節なら新聞紙で包んだあとは常温で保存可能。
切ったものは変色しやすいので、空気に触れないようにラップで密着させて包み、野菜室に入れて早めに使い切ります。
選び方・見分け方
外の葉につやがあり、緑が鮮やかなもの。
冬は霜に当たって紫がかっていることもありますが、甘みがあるキャベツの証拠です。
春キャベツはふんわりと軽くて重くないもの。
冬キャベツは逆で、ずっしりと重いもの。
半分にカットされているものは、冬キャベツの場合、厚みのある葉がしっかりと結球している方が良い。
春キャベツは外側の葉がふんわり巻いてあり、中に行くにつれて、しまっているものが良い。
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