由来と歴史
英名:pumpkin
仏名:citrouille
学名:Cucurbita
分類:ウリ科カボチャ属
原産地:中央アメリカ(日本カボチャ)、南アメリカ(西洋カボチャ)
16世紀頃に中南米原産のかぼちゃが、ポルトガル船によって九州に渡来したのが始まりです。
17世紀初期には九州で栽培が始まりました。
かぼちゃという名前は「カンボジア」を意味する「カンボジャ」がなまったとされています。
また南蛮から伝わった瓜ということで、「南瓜」とされる説や、中国の都市である「南京」に由来しているという説もあります。
栄養とカロリー
<可食部100gあたり>
- エネルギー 49kcal
- 水分 86.7g
- たんぱく質 1.6g
- 炭水化物 10.9g
無機質
- ナトリウム 1mg
- カリウム 400mg
- カルシウム 20mg
- マグネシウム 15mg
- リン 48mg
- 鉄 0.5mg
- 亜鉛 0.3mg
- マンガン 0.07mg
- ビタミンA β-カロテン当量 730μg
- ビタミンE 1.8mg
- ビタミンB1 0.07mg
- ビタミンB2 0.08mg
- ビタミンB6 0.12mg
- 葉酸 42μg
- ビタミンC 16mg
- 食物繊維総量 2.8g
β-カロテンをはじめ活性酸素の害から体を守るビタミンC・Eなどが多く、ビタミンB群、カリウム、食物繊維などもバランス良く含まれています。
かぼちゃの鮮やかな黄色はβ-カロテンの色で、カロテノイドと言われる色素成分の一つです。
これは体内で必要に応じでビタミンAに分解されます。
免疫力を高めてくれたり、眼や皮膚、髪、歯茎などの健康を保つのに高い作用があります。
ビタミンCやEは細胞の酸化を防ぎ、老化を防ぐ働きもありますし、毛細血管の血流を促して冷え性改善にも良いと言われています。
また他のビタミンやミネラルの働きを活発にする効果もあり、栄養素の潤滑油としての効果も期待されます。
炭水化物が多いので、野菜の中ではカロリーが高めですが、食欲がない時の栄養補給にもおすすめです。
旬と産地
かぼちゃのおいしい時期
5月、6月、7月、8月、9月
(11月〜3月 輸入:ニュージーランド、メキシコ)
産地別
沖縄 4月
鹿児島 5〜7月
神奈川、茨城 6〜8月
北海道 8月〜12月
かぼちゃの旬は夏ですが、現在は周年流通しています。
冬から春までは輸入品が多く、4月ごろから沖縄県、5月ぐらいから九州の産地物が出始めます。
普段目にするのは西洋かぼちゃで、一般的に「黒皮栗かぼちゃ」と呼ばれるものが主流です。
日本かぼちゃは宮崎県、京都府、千葉県など、限られた産地で作られています。
種類
えびすかぼちゃ(西洋かぼちゃ/黒皮栗)・・・代表的な西洋種。表面に溝がなくてなめらか。糖質が多くて甘いので、栗かぼちゃとも呼ばれていて、果肉はホクホクとしている。皮の色は青皮系、黒皮系、赤皮系などさまざま。
日本かぼちゃ・・・皮が平たくて縦に溝が入っており、デコボコしているため「菊かぼちゃ」とも呼ばれる。味は淡白で粘り気があり、煮崩れしにくいのが特徴的。煮物や蒸し物などの日本料理に向いている。
黒皮かぼちゃ(日向かぼちゃ)・・・日本かぼちゃの代表種で、皮がゴツゴツとしているのが特徴。肉質は緻密で粘り気がある。甘みが少なくて水っぽいがじっくりと出汁を含ませるように煮ると味わいが深くなる。
坊ちゃんかぼちゃ・・・500gほどの小型で、手のひらサイズ。甘みが強く、丸ごと加熱したり、くり抜いてグラタンやプリンなどに利用することもある。カロテンの含有量が特に多い。
ペポかぼちゃ・・・おもちゃかぼちゃとも呼ばれる観賞用のかぼちゃ。黄色、オレンジ色、緑色など、色や柄もさまざまにある。形は細長いものや小型のものが多い。
バターナッツ・・・ひょうたんのような形とクリーム色の皮がユニークで、強い甘みと濃厚な風味が特徴。バターのような食感でねっとりとしており、繊維質が少ないのでホクホク感も少ない。
宿儺(すくな)・・・飛騨高山の丹生川地域特産で、最近復活した品種。長さは40cmほどで皮が薄く煮崩れしやすいので注意。
打木赤皮甘栗・・・加賀野菜として人気で、皮も果肉も鮮やかなオレンジ色(だいだい色)水分が多いので、食感はねっとりしている。煮物向き。
鹿ヶ谷(ししがたに)・・・京都特産の日本かぼちゃ。皮がちりめん状になっており、いびつなひょうたんのような独特の形をしている。水分が多くねっとりとしているので煮物向き。
白皮栗・・・メロンのような薄緑色の皮が特徴。ホクホクとした食感で日持ちする。果肉は一般的なかぼちゃと同じ黄色。
プッチィー二・・・重さが200〜300gのミニかぼちゃ。甘みが強いのでレンジで加熱するだけで十分食べられる。クリーム色の皮と果肉で、皮の窪みだけオレンジ色をしている。
そうめんかぼちゃ・・・繊維状の果肉をしているので、ゆでるとほどけて麺のようになる。さっぱりと三杯酢や、麺つゆで食べる。
コリンキー・・・700g前後のミニかぼちゃ。未熟果を皮ごと食べるのが特徴。オレンジ色の皮で少し縦長の丸い形をしている。さわやかでクセのない味なので、漬物や生で食べられる。
エイコーンスカッシュ・・・アメリカ生まれの品種で、果先がとがっていて縦長の形状をしている。果肉は加熱するとねっとりとして甘みが出る。
テーブルクイーン・・・手のひらサイズのかわいらしいミニ品種。皮も果肉も白く、味も淡白。肉詰めなどの詰め物料理に使われます。
保存方法
丸ごとなら冷暗所(10〜13度)で長期保存が可能。
カットしているものは傷みやすいので、種の部分をくり抜きラップをして冷蔵庫の野菜室で3日程度保存可能。
食べきれない時は、加熱して冷凍保存もできる。
サラダやコロッケにするなら、レンジで加熱かゆでたものをマッシュして、冷めてから使いやすい分量ごとにラップで包み平らにして、保存袋に入れて冷凍する。
煮物やスープなどに使うなら、カットしたものをレンジ加熱かゆでて、冷めたものを保存袋などに入れて冷凍する。袋の中で隙間ができると霜ができて傷みやすいので、こちらは早めに使うかなるべく空気を入れないように保存する際注意すること。
選び方・見分け方
- 凸凹がはっきりとしていて、つやのあるもの
- ヘタがコルクのように枯れて乾燥しており、この周りがくぼんでいるものが完熟のサイン
- 皮が固くてずっしりと重みのあるもの
- 西洋かぼちゃなら緑色が濃いものを選ぶ
- カットされたものは果肉が厚く、色が濃いもので種に厚みがありふっくらとしているものが良い
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