里芋の栄養・カロリー・旬・産地・歴史・由来・種類・保存方法と選び方

独特のぬめりと食感、甘みがおいしい里芋。

初めて小さめの里芋を衣かつぎで食べた時の感動は忘れられません。

最近はグラタンやコロッケにするレシピも見かけますね。

調理の際には、ぬるぬるしていて危ないので、包丁で切る際には気をつけてください。

今回はそんな里芋の栄養・カロリー・旬・産地・歴史・由来・種類・保存方法と選び方をご紹介します。

由来と歴史

英名:taro

仏名:colocaseまたは taro

学名:Colocasia esculenta

サトイモ科サトイモ属

原産地:東南アジア

里芋の原産地はインド東部からインド半島にかけてに熱帯地方という説が有力。

紀元前3000年頃にはインドで栽培されていたと言われています。

日本への渡来は古く、中国や南方から縄文時代に伝わったとされており、当時は里芋が主食だった説もあります。

そのため稲作よりも歴史のある作物なんですね。

里芋の名前の由来は「山で採れる山芋(自然薯)に対し、里(村)で採れるから里芋」と呼ばれるようになったと言われています。

栄養とカロリー

<可食部100gあたり>

・エネルギー 58kcal

・水分 84.1g

・たんぱく質 1.5g

・炭水化物 13.1g

・灰分 1.2g

・無機質

カリウム 640mg

カルシウム 10mg

マグネシウム 19mg

リン 55mg

鉄 0.5mg

亜鉛 0.3mg

銅 0.15mg

マンガン 0.19mg

・ビタミンB1  0.07mg

・ビタミンB2 0.02mg

・葉酸 30μg

・ビタミンC 6mg

・食物繊維総量 2.3g

主な成分はでんぷんとたんぱく質ですが、他の芋類と比較すると水分が多いのでカロリーは低め。

塩分を排出する効果のあるカリウムが群を抜いて高いのが特徴。

食物繊維はさつまいもに匹敵するほどたっぷり含まれています。

この食物繊維はぬめりの成分ともなっているガラクタンとグルコマンナン。

これらは粘膜を保護する働きやタンパク質の消化・吸収を促す作用があり、胃腸の強化に役立ちます。

また脳細胞の活性化や免疫力を高める効果があると言われています。

旬と産地

里芋のおいしい時期

9月、10月、11月、12月

産地別

千葉県 8月〜11月(秋冬もの)

埼玉県 10〜12月(秋冬もの)

鹿児島県、宮崎県 6〜7月(春夏もの)

特徴

日本では稲作以前から食べられており、親芋を中心に小芋、孫芋も育つことから、子孫繁栄の縁起物とされて、お祝いの席やおせちなどに欠かせない食材となっています。

また秋には各地で「芋煮会」が開かれることも有名です。

里芋の栽培には、大きな葉と太い茎を育てるために水が重要で、そのため地下水や川が流れているところが名産地とされています。

具体的には、

山梨県竜王町「八幡芋」

福井県大野市上庄地区「上庄里芋」

岩手県北上市「二子芋」

があります。

種類

石川早生・・・丸い小型の品種で、大きさが揃っているのが特徴的。柔らかめであっさりとした里芋。

土垂(どだれ)・・・関東地方で多く栽培されている代表的な小芋品種。ころんとした楕円形で、粘りが強くて柔らかいのが特徴。

田いも(水いも)・・・沖縄産で水田や湿地で栽培される。粘りが強く、アク抜き必須の品種。縁起物として正月料理にも使われる。

京いも・・・別名たけのこいも。小芋をつけずに肥大する親芋のこと。地上に伸びる姿がたけのこに似ていることから名前がついた。ぬめりが少なく、煮崩れしにくいので煮物向き。

ちば丸・・・千葉県育成の新品種。土壌の改良種でクセがなくさっぱりとした風味が特徴。色白で丸型。

えびいも・・・京野菜の一つで、粘りが強く、でんぷん質のほっくりとした食感と滑らかな口当たりが特徴。親子兼用品種の唐芋(とうのいも)を特殊栽培し、形を湾曲させたもの。形や表面の縞模様がえびに似ていることが名前の由来。

八ツ頭・・・親子兼用種。ボコボコとした大きい形は、親芋と小芋が結合しているから。甘みがありほっくりとした食感で煮物にするとおいしい。正月料理でも使用される。

セレベス・・・別名赤芽、大吉。親子兼用品種で全体的に赤みを帯びている。ホクホクとしていて、ぬめりは少なめ。

ハスいも・・・芋でなく、葉柄を食用とする品種。

大和早生・・・新潟・富山を中心に作られている土垂系の品種。色白で粘り強く、肉質がきめ細かいのが特徴。

八幡いも・・・新潟県佐渡郡の在来種。細長い形で粘りが強い。のっぺ汁の具材に使われる。

石川いも・・・直系4〜5cmの小さな丸形。柔らかくあっさりとした味わいが特徴。衣かつぎにして丸ごと食べるのもおすすめ。

伝燈寺(でんとうじ)さといも・・・金沢市伝燈寺町で栽培されている品種。粘り強くもっちりとしている。ずいき(茎)も食べられる。

ずいきいも・・・親芋、小芋、葉柄、葉の全てが食べられる品種。葉柄は干してずいきにする。芋は煮物や汁の具に。

いもがら・・・芋の茎。別称ずいき。生のものは皮をむいてから茹で、アク抜きして酢の物や汁の具に使う。

保存方法

乾燥や低温は弱いため、冷蔵庫は避けること。

泥がついたまま、通気性の良い紙袋や新聞紙などに入れて、日の当たらない風通しの良い場所で保存する。

使いきれない場合は冷凍保存が可能なので、蒸したものをチャック付きの袋に入れて保存すると良い。

2〜3週間は保存可能。

選び方・見分け方

傷がなく、表面がしっとりとした湿り気のあるもの

緑色しているものは避けること

白くてつやがあるものを選ぶ

ふっくらとした丸みがあり、重量感のあるもの

芽が出ているものや、軽く押した時に端がふかふかするものは避ける

泥付きの方が日持ちがして、風味も良い

 

 

 

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