生だとサクサク、加熱するとトロトロ、様々な調理方法で親しまれるかぶは私も大好物です。
大きいものが八百屋さんで売っていると、ついついテンションが上がります^^笑
今回はそんなかぶの栄養・カロリー・旬・産地・歴史・由来・種類・保存方法と選び方についてまとめました。
由来と歴史
英名:turnip
仏名:navet
学名:Brassica rapa var. rapa
アブラナ科アブラナ属
原産地:中央アジア、ヨーロッパ西南部
別名:くくたち、かぶら、あこな、すずな
かぶの名前の由来は、その丸い形から頭(かぶり)に見立てたことに由来すると言われています。
また「すずな」という名前で春の七草としても有名ですね。
「すず」というのは丸い形を錫(すず)製の瓶子(丸い壺型の酒器)に見立てた名前であるとも言われているようです。
原産は、地中海沿岸の南ヨーロッパを起源とする一元説と、地中海沿岸とアフガニスタンを起源とする二元説などがあります。
かぶは元々、野生アブラナの一変種であり、紀元前からヨーロッパで栽培されていました。
中国では2000千年前に伝わりましたが、現在ではあまり栽培されていません。
日本では「日本書紀」(720年)にすでに記録が残されており、かなり古い時代に中国または朝鮮半島から来たものだと考えられています。
「すずしろ」(大根)とともに春の七草に数えられ、重要な根菜とされてきました。東北地方では古くから焼畑作物として毎年栽培され、保存して冬から春の食料とされました。
江戸時代には特産的な栽培品種が各地で数多く誕生するようになりました。
栄養とカロリー
<可食部100gあたり>
・エネルギー 20kcal
・水分 93.9g
・炭水化物 4.6g
・無機質
ナトリウム 5mg
カリウム 280g
カルシウム 24mg
マグネシウム 8mg
リン 28mg
鉄 0.3mg
亜鉛 0.1mg
・ビタミンB1 0.03mg
・ビタミンB2 0.03mg
・ビタミンC 19mg
・食物繊維総量 1.5g
根の部分は大根の根の栄養素量とほとんど同じで、取り立ててたくさん含まれている栄養素はありません。
カリウムやビタミンCなどがやや多い印象です。
アブラナ科野菜に共通した特徴として、刺激性辛味物質の元になるグルコシノレートという成分を含んでいます。
グルコシノレートは加熱して食べると肝臓の解毒作用が活性化されます。
大根同様にでんぷんを分解するジアスターゼという酵素をたくさん含んでいるので、主食(ご飯、パン、麺など)を食べすぎた時の胸焼けや胃もたれを解消してくれる効果もあります。
かぶの葉は根と全く異なる栄養素を持っていて、カロテン、ビタミンC、食物繊維をたくさん含んでいます。
旬と産地
かぶのおいしい時期
3月〜5月、10月〜12月
産地
千葉、埼玉、青森
特徴
収穫時期は品種によって差上がりますが、全体的に寒い時期ほど甘味が強くなり葉も柔らかくなります。
特に小かぶは肉質が柔らかく、聖護院のような大型のかぶは繊維が少なくて肉質は緻密です。
東京近郊で栽培される金町小かぶにはたくさんの系統があり、全国各地で栽培されています。
かぶには地方特産の在来種が多く、小かぶ以外は周年生産されていません。
種類
小かぶ・・・朝鮮半島を経由して日本にやってきたとされる、ヨーロッパ型のかぶです。その後東日本に根付いたとされています。一年中出回っていますが、寒さに強い品種なので、晩秋から冬のものが風味が強く美味しいです。
中かぶ・・・早採りして小かぶとして出荷することもあります。代表的な品種は奈良の今市や新潟の寄居です。
飛騨紅かぶ・・・岐阜県飛騨高山の特産品。肉質も葉も柔らかいのが特徴で、赤かぶ漬けや酢漬けにされる。
暮坪かぶ・・・岩手県遠野地方の在来種です。大根のように辛味が強いのが特徴で、おろして薬味などに使われる。
聖護院かぶ・・・京野菜の一種で、重さがなんと4〜5キロにもなる大型の種類です。有名な「千枚漬け」にも利用されています。
芽かぶ・・・その名の通り、とっても小さなかぶ。そのまま酢の物や汁物に使われます。
津田かぶ・・・島根県松江市の特産品。牛の角のように曲がっていて、色も二種類あります。寒風に干して漬物にされます。
ルタバガ・・・通称は「スウェーデンかぶ」。かぶの近種で、濃厚な味わいから付け合わせや煮込み料理に使われています。
サラダかぶ・・・柔らかくて甘みもあり、なめらかなのが特徴。サラダ向きです。
天王寺かぶ・・・大阪の伝統野菜で、柔らかく風味が良いのが特徴です。かぶら蒸しや煮物、漬物など万能なかぶです。
長崎赤かぶ・・・長崎の伝統品種の赤かぶです。肉質はきめ細かいので、漬物や酢の物に利用されています。
万木(ゆるぎ)かぶ・・・滋賀県西万木地方の在来種です。川は赤く中身は白い。糠漬けが有名です。
最上かぶ・・・庄内市の在来種で、日の当たる茎の付け根や根の上部が薄紫です。形が少し長くて、小さな大根という印象です。
伊予緋かぶ・・・愛媛県の在来品種です。中だけでなく、葉柄や葉脈も赤紫色をしています。「緋かぶら漬け」が有名です。
黄かぶ・・・癖のある風味ですが、火を通すとホクホクとした食感が楽しめます。スープなどがおすすめ。
金沢青かぶ・・・やや横長の形で直径は10cmほど。漬物にすると歯応えが良いのが特徴です。
日野菜かぶ・・・滋賀、日野町の特産品。25〜30cmの細長い形で、日の当たる茎の付け根や根の上部は赤紫色をしています。肉質は硬めで、桜漬けという名前の漬物として販売されることが多いようです。
温海かぶ・・・山形の特産品。皮が赤紫色で中は白いのが特徴です。肉質が硬めなので甘酢漬けなどに利用されています。直径は10cmほど。
保存方法
葉はすぐに切り落として、根と別々に保存がおすすめです。
そのままだと葉に水分が奪われてしまうため。
葉はすぐにしんなりとして痛みやすいため、1〜2日で食べるのが良いでしょう。
濡れた新聞紙やキッチンペーパーで包んで冷蔵庫に入れておくと鮮度が保てます。
根は1週間程度保存可能です。
選び方・見分け方
葉の緑色が鮮やかでシャキッとしているものが新鮮です。
茎の付け根も緑色か確認しましょう。
根の部分はハリがあって、ひげ根の少ないものがおすすめです。
表面がなめらかで傷やひび割れが少なく、つるつるしているものが良いですよ。
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