ほうれん草の栄養・カロリー・旬・産地・歴史・由来・種類・保存方法と選び方

栄養たっぷりのほうれん草は料理の使い勝手も抜群。

お浸しや炒め物はもちろん、最近はサラダ用に生食用のほうれん草も目にしますね。

今回はそんなほうれん草の栄養・カロリー・旬・産地・歴史・由来・種類・保存方法と選び方を紹介します。

由来と歴史

英名:spinach

仏名:épinard

独名:Spinat

学名:Spinacia oleracea

アカザ科ホウレンソウ属

原産地:西アジア

和名:唐菜、赤根菜

カスピ海南西部が原産地と見られますが、野生種は発見されていません。

ペルシャ(現在のイラン)で栽培化され、北アフリカを経て12世紀以降にヨーロッパへ渡りました。

中国へはネパールを経て7世紀ごろに伝わったとされています。

その間にヨーロッパで西洋系品種が、中国では東洋系品種がそれぞれ成立しました。そのため、ほうれん草には東洋種と西洋種の2系統があります。

日本には江戸時代に東洋種、明治時代に西洋種が入ってきましたが、味は東洋種の方が好まれ、西洋品種は普及しませんでした。

それから各地に固有の品種も誕生しましたが、現在はそれらのほとんどが姿を消して、東西両種の交配種が主流になっています。

交配種は大正末期から昭和初期にかけて育成され、各地に普及しました。

東洋系の品種の旬は冬ですが、第二次世界大戦後に栽培の周年化が進められる中で、暑い時期の栽培にも耐えられる西洋系の品種や交配種が盛んに栽培されるようになりました。

栄養とカロリー

<可食部100gあたり>

・エネルギー 20kcal

・水分 92.4g

・無機質

ナトリウム 16mg

カリウム 690mg

カルシウム 49mg

マグネシウム 69mg

鉄 2.0mg

亜鉛 0.7mg

マンガン mg

・ビタミンA  β-カロテン当量  4200μg

・ビタミンK  270μg

・ビタミンB2 0.20mg

・葉酸 210μg

・ビタミンC 35mg

・食物繊維総量 2.8g

緑黄色野菜の中でも抜群の栄養価を誇るほうれん草。

牛レバーに匹敵するほどの鉄分、多種多様なミネラル類、ビタミン、葉酸も豊富で、造血作用があります。

良く「貧血にはほうれん草を食べると良い」と言われるのもこのためですね。

またカロテンを大量に含む代表的な存在でもあります。

カロテンは抗酸化作用に優れていて、肌の老化を防ぐほか、細胞の老化やがん化を抑制する働きもあります。

そしてほうれん草の緑色は、カロテンの黄色とクロロフィル(葉緑素)の青色が合わさったもので、クロロフィルは血液中の悪玉コレステロール(LDL)を強力に低下させ、同時に善玉コレステロール(HDL)を増やすとされている色素です。

クロロフィルは細胞の突然変異を抑える機能もあり、こちらもがんを抑制する働きだと期待されています。

大量に摂取すると尿路結石になりやすいしゅう酸の多い野菜ですが、水溶性のしゅう酸なので、気になる方は根の部分を30分ほど水にさらしたり、茹でることで大幅に減らすことができます。

茹でるとビタミンCは半減してしまいますが、他の食材で補うなどして工夫して食べるようにしましょう。

旬と産地

ほうれん草のおいしい時期

12月、1月、2月

産地別

群馬

埼玉

千葉

茨城

北海道(夏もの)

特徴

品種は東洋系、西洋系、交配種の3郡に分けられます。

東洋系・・・葉が薄く、葉先が尖っている。根のところが赤く、あくは少なめで歯触りが良いのが特徴。

西洋系・・・葉が厚くて大きく、茎の部分は短め。根のところはあまり色付かず、あくが強い。炒め物などに向いている。

交配種・・・東洋系と西洋系の中間的な特徴。現在は生産の主流になっていて、あくが非常に少ないサラダ専用のほうれん草もこの交配種。

種類

剣葉ほうれん草・・・葉先がとがっていて、切れ込みが深い東洋系。葉肉は薄いけれど柔らかくて甘みがある。あくが少なく歯触りが良い。

山形赤根ほうれん草・・・東洋系のほうれん草で、葉は薄くぎざぎざとした切れ込みがあるのが特徴的。一株から10本以上の茎が出て根の部分は赤く、土臭さはない。

赤茎ほうれん草・・・生で食べられるアクの少ない品種です。サラダにすると彩りも良く、ベビーリーフに入っていることもあります。

丸葉ほうれん草・・・葉に丸みがあり、葉柄が太い西洋系の品種。葉肉が厚いので加熱料理向き。現在の多くは東洋と西洋の交配されたものが主流となっている。

ちぢみほうれん草・・・寒にあてて栽培することで低温ストレスを与え、糖度を高めた品種。葉肉が厚く食べ応えがあるのが特徴で、お浸しにすると甘みが強く美味しい。

サラダほうれん草・・・生食用に改良された品種。あるいは水耕栽培されたもの。あくが少なく食べやすいが、色は薄めで葉も薄く、茎も細い。

保存方法

葉野菜は葉がしおれやすいので、葉先が乾かないよう湿らせた新聞紙に包み、さらにビニールに入れて、できれば冷蔵庫の野菜室に立てておくと良い。

サッと茹でて冷凍しておくことも可能で、保存期間も長くなるし、料理の手間を省くことができて便利です。

選び方・見分け方

緑の葉が濃く茎がぴんと張っているものが良い。

黄色い葉が入っているものは鮮度が落ちているのでやめましょう。

株は小さめで葉にボリューム感があるものがおすすめです。

詳しくはこちらで紹介しています。→おいしいほうれん草の選び方

 

 

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